仕事をする上で普段考えていること
はじめに
今の会社に転職してはや8年。Ruby on Railsのプログラマーからスタートしたキャリアだけど、1年半前から前任者の引き継ぎというカタチで管理職をやってる。管理職と言っても100%マネージメントに振っているわけではなく、コードも書くしインフラ構築もするような状況。チームメンバーも増えマネージメントについて意識する機会も増えてきた。世の中の流れ的にも「エンジニアリングマネージャ」にフォーカスする書籍やイベントも増えてきて、私と似たようなキャリアを歩み疑問にぶち当たっているのかなという印象を受ける。最近マネージメントについて意識して仕事する機会も増えてきた。 そんな中で普段から仕事について意識してることについて語ってみる。
自分にしかできないと思っている仕事こそ移譲する
「この仕事は私にしか分からない」そう思っていた時期が私にもありました。実は私にしか分からない訳ではなく、他人に教えるのが面倒なだけだったりした。 手順書を一通り揃えれば自分が思っていたより遥かに楽に仕事を移譲できることが分かった。ついでに私より効率の良いやり方でやってくれる事があることも分かった。
ストレス無く仕事する方法
何がストレスかって言うと長期的な段取りが必要なタスクをぼんやりと考えているとき。あのプロジェクトを進めるにはあの人と打ち合わせして、この資料を作成して... ああ、でもあっちの締切のほうが優先度高いからこの資料を先に作って...なんて考えるのが一番ストレス。無駄に時間が過ぎていく。しかも、家族との団らんやクルマの中でリラックスしてるときに急に思い出してイライラしてしまう。 これを解消するためにGTDという手法を随分前から取り入れている。タスクを実行可能な領域(「Excelシートを開く」・「PDFを読む」など)まで細分化して記録、それを日々振り返りながら実行するべきタスクをその場で決めている。リラックス中にふと長期タスクを思い出しても「ああ、これはとりあえず月曜日に資料読むところから始めればいいや」って思える。 随分長い間 Doit.imというサービスを使ってたんだけど、数年前からメンテナンスされなくなってしまい、現在は Trelloを使ってカンバンで管理している。間違えないでほしいのがGTDは「タスクを効率的に処理する」方法では無く「タスクをストレス無く処理する」方法なので、頭の良い人やストレス耐性高い人はもっと別の効率的な手段があると思う。興味のある人は全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術を読んでみてほしい。
コミュニケーションツールの特徴をよく理解する
Chatwork・Teamsなどのチャットツール、Redmine・GithubのIssueなどのタスク管理ツール、メール、電話(ボイスチャット、TV会議)など会社では様々なツールを使ってコミュニケーションを取っている。それぞれ特徴があり相手や情報の内容によって使い分けるべきだと思ってる。
- チャットツール(Chatwork、Teams)
- 非同期のコミュニケーションで良い場合に選択。タスクを決定するまでに感情を挟まない論理的な会話ができる場合、つまりはほとんどはこれでOKだと思う。表情が伝わらないので顔文字や口調はとても重要。
- Redmine
- 詳細に記載されたタスクの内容、ボールが誰にあるのかを認識するときに必要。初めの頃は他人にタスクを割り当てるのが苦手な人が多いけど「だれのボールか明確にすることが重要なので容赦なく私にアサインしちゃってください!」と他部署の人には説明している。
- メール
- WebサービスからのNotificationとしか機能しなくなった感じがあるメールだけど、相変わらず社内外問わず使われている。可能であればチャットツールの世界に引きずり込んでるけど、難しい場合もある。せめて相手の事を考えてタイトルは工夫して送るようにしよう。工夫と言っても大したことは無く先に本文を書いてから3行目をコピペするだけ。簡単でしょ?
- 電話(ボイスチャット、TV会議含む)
- 利点が2つある。
- 一つは相手の声色を伺うことができるし、こちらの感情を伝えやすいから。障害発生時はもとより頼みづらいと自分が感じているタスクを遠隔地の人にお願いするときは大抵電話を添えている。仕事は相手の気持ちになって考えることが重要。声から相手の気持ちを感じ取ってほしい。
- もう一つは相手の出方によって条件が複数分岐する内容を話し合うとき。if,then,elseぐらいで処理できる2パターンならRedmineのIssueで議論するのも良いが、予めif文が3つ以上登場することが想定される場合は電話のほうが手っ取り早いし効率的である。
- ただし、声での会話は後に残すことができない。会話の後にはチャットやRedmineなどで「さっきの電話で話したことを共有します」と内容を共有するようにしょう。
- 利点が2つある。
20代の若い人に伝えたいこと
- いまはがむしゃらにタスクをこなしていけば良い
- 仕事の内容を考えるのは上司の仕事。与えられた仕事をそのままこなしてくれれば良い。もちろん自分に合う仕事、合わない仕事はあると思うので、ちゃんと上司に伝えよう。一番良くないのが不満の矛先が社外に向いてしまうことだと思ってる。そうならないようにコミュニケーションの場は提供しているし、その場を大切にしてほしい。
- 分からない事はちゃんと調べよう
- 求められた結果を出すことに注力しすぎて、その過程を疎かにすると後々苦労することも。プログラミング中に詰まってQiitaに書かれている別のやり方で回避するのも時には良いだろう。しかし、自分が本来やりたかったやり方ではなぜダメだったのか。本来どう処理するのが正解だったのかを追い求めてほしい。
- 会社でやるべきことの線引
- 業務時間中に本を読んで学習するのも、新しいWebサービスを試すのも良いと思う。その際に一つ気にかけてほしいことがある。それは「今やっていることが会社のためになっているか?」 という点。別に利益を上げることを最優先で考えろと言っているわけではないが、我々は価値あるサービスをお客さんに提供し、お客さんはその価値をお金として会社に支払ってくれている。私達の給料は会社から出ているわけではなくお客さんのお金だということを考えなければいけない。なので、「今何やってるの?」と聞かれたときに「会社の価値をこういう方向で高めてます!」って胸を張って言えるように準備しておいてほしい。その言葉さえあれば大抵の上司はOKするんじゃないかな。