JAWS-UG Okayama 2019 × SORACOM-UG Okayama vol.1に参加してきた
倉敷物語館で8/17に開催された「JAWS-UG Okayama 2019 × SORACOM-UG Okayama vol.1」に参加してきました。 午前中はAWSの技術をテーマにした勉強会JAWS-UGで、午後からはSORACOM LTE-Mボタンを使ったハンズオンという感じでした。
JAWS-UG Okayama 2019
今回から「第n回」ではなくタイトルに年が入るようになりました。年次イベントに格上げです(違)。 印象的だったお話をいくつか。
AWS での機械学習
AWSジャパンの藤原さんから、AWSで利用することができる機械学習関連のソリューションを紹介していただきました。
Amazon Rekognitionを使えば、顔認識や有名人の認識、アダルトコンテンツの認識など画像解析ができるそうです。動画にも対応しているのが素晴らしい。
また利用者自身の機械学習の理解を深める仕組み作りもAWS DeepLensやAWS DeepRacer取り揃えているところがすごいですね。
私は偶然にも前日にSoftware Design9月号の「ひとりで始めるPythonプログラミング入門」を読んでいたので、「Jupyter Notebook使ってる人?」という質問に胸を張って手を上げることができましたよ!(理解しているとは言ってない)
機械学習をバリバリ使いこなすつもりは無いですが、作業の流れや用語は仕事をする上でも抑えておく必要があるなぁと最近感じています。
ECSとSQSでスケーラブルなバッチを作った
ツイートがアッコにおまかせ!で取り上げられたことで有名な、クラスメソッドの吉田タカさんの発表。
お客さんの情報を安全に扱うために、客先アカウントでIAMを作るのではなくRoleを作って、自社アカウントからSwitch Role(って理解で合ってるかな?)したり、AWS SSMを使って機密情報を安全に格納したり、クラメソ内の安全性を確立する手順がよく分かる良い発表でした。
また、SQSを使った大量データの処理についても、Dead letter Queを正しく使うことで不正なデータを正しく扱うことができることを学べました。
AWS DMSを利用した今風DBリファクタリング
オミカレの高橋さんからRDSのMySQLからPostgreSQLへDMSを使ってデータを移行している話を聞かせていただきました。
ざっくり書くと、
DBのリファクタリングをトリガーを用いてやりたい。ただSQLでトリガー処理は書きたくないのでJavaScriptが使えるPostgreSQLが使いたい。だからMySQLからPostgreSQLにDMSを利用してリアルタイムにデータを移行している。
という内容でした。IT系勉強会では新しいものを作る発表はよく聞くのですが、実業務の世界では既存システムを新しい仕組みにじっくりゆっくり合わせていく作業が必要不可欠です。中国地方DB勉強会ではこういったお話がたくさん聞けるので好きなのですが、JAWS-UG参加メンバーの心にもきっと響いたと思います。
まだまだ完全移行まで闘いは続くようですが、頑張って欲しいです!応援してます。
Jets ~Rubyで始めるServerless生活~
ソニックガーデンの遠藤さんからRuby on RailsライクなサーバーレスフレームワークJetsのご紹介でした。 ご本人様は「発表とか苦手でして...」って言われていましたが、Jets愛を感じる熱い発表でした!
AWSでサーバーレスでWebサービスを作ろうと思うと次のようなツラミがあります。
Jetsを使えば、ローカルではまるでRuby on RailsのようなRubyコードを書くだけで、デプロイ時に自動でLambdaへのプログラムの設置、API Gatewayの設定を行ってくれるそうです。また、静的なファイルはs3に置いて、HTMLからは自動でそちらを見に行くように設定もしてくれるとのこと。まさに神!
あと、CloudWatchを使ってcronライクな動作を設定できたりAWS上の様々なサービスと連携できる点が素晴らしいですね。しかも、めんどくさいYAMLやらJSONを書かなくてよいのがなお良いです。
私も近いうちにJetsを試してみようと思います。
SORACOM-UG Okayama vol.1
株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリストの松下さんからソラコムのサービスの説明とLTE-Mボタンを利用したハンズオンがありました。 通常の携帯電話の通信では
- 端末→インターネット→AWS
ですが、ソラコムの場合は
- 端末→AWS→インターネット
というようにダイレクトコネクトを利用して直にAWS内に接続しているそうです。こうすることで、セキュアな通信でもhttpsという重いプロトコルを使うことなく、少ない通信量(バッテリーの持ちも良くなる)で送信できるというわけです。
他にもIoTソリューションを構築する上で必要な様々な仕組みを提供されていました。懇親会では松下さんからLTE通信の興味深いお話が聞けてとても楽しかったです。
さて「LTE-Mボタン」ですが、先に発売されている「AWS IoT エンタープライズボタン」の通信がLTEになったようなデバイスです。AWSからはIoT エンタープライズボタンと同等に扱われます。
面白いのがAWS IoT 1-Clickからはデバイスがどこの プレイス にあるか設定できるという点です。IoT エンタープライズボタンはWiFi接続しかできないので「台所」とか「リビング」とか設定するのでしょうが、「LTE-Mボタン」は電波が入ればどこでも使えます!プレイス=地球と言っても過言ではありません。
こんな感じでボタンを押すことでlambda経由でメールを送ったり、IFTTT経由でLINEしたり楽しく実験することができました。
「ボタンを押すことしかできない」というのは多様性が無く、一見不便なようにも思えますが、アイデア次第でシンプルに問題を解決することができる面白い仕組みだということが分かりました。