RubyWorld Conference 2011に参加してきた

9月5日と6日に松江市で開催されたRubyWorld Conference 2011に参加してきました。
RubyKaigiと比較してビジネス色が強いイベントなので、正直参加しようか迷ったのですが、参加してみてよかったです。

くにびき大橋を埋め尽くすRubyWorld Conferenceののぼり
以下、気になったことのメモ書きです。
(1日目)

オープニングセレモニー(まつもとゆきひろ)

FORTRANより前にPlankalkülって言語があってね...という話。
RubyKaigiのときと比較して、白かったです。白Matzでした。
良くも悪くもまつもとさんはRubyの象徴なんだなぁと感じました。

記念講演「IT融合による新たな産業の創出について」( 高橋淳)

経済産業省のスライド&プレゼンが見れるのはRubyWorld Conferenceだけっ!
同時に追っていたTwitterのTLが面白かったです。国にプレゼンを行う企業は高橋メソッドは使用してはいけないのだろう。
スライドにRubyの文字はありませんでしたが、最後にRubyって言ってくれてありがとうございました。

中田育男 「Ruby標準化の進捗状況」(中田 育男)

IPAが中心となって標準化を進めている。コミュニティの意見を大切にしているとのこと。
標準化のベースは1.8系。1.8と1.9で差異がある箇所は定義していない。
標準化の狙いは言語仕様を明確にすることで脆弱性を防ぐことができる点。

Ruby on RailsのPaaS「RCloud」ができるまで」(廣田哲也)

RCloudというサービスを展開するまでに、自社でどのようなサービスを行ってきたかの説明。
SolarisRailsを動かすためのノウハウが中心の発表でした。RCloudの説明はいつ来るのだろうとヤキモキしてしまいましたが結局詳細は不明。
最後にマイクで質問させてもらいましたが、答えはまずはメールで問い合わせて欲しいとのこと。
面倒なデプロイを人力でやってくれるサービスなのかな?よくわかりませんでした。

「Cloud Foundry: Why Ruby, and will it last?」(Derek Collison)

VMWareからクラウドの紹介。非常に簡単にアプリケーションをデプロイできる。インスタンス数の調整も超簡単。
実際のクラウドと同じ環境がUSBメモリ上に構築できるらしい。(GAEみたいな感じ?)
TLでだれかがつぶやいていたけど、本番クラウドとローカル環境の差異が発生しないか心配。
というか、ローカル環境がなぜ必要なのかイマイチよく分からなかった。

レセプション


豪華な料理を囲んでの立食パーティーでした。料理は島根県の特産品を取り揃えた素晴らしいものでした。江津まる姫ポークのハンバーグ&ステーキ大変おいしゅうございました。あと、子供のようにパイナップルもたくさんいただきました。
あとtDiaryの柴田さんとCucumberのmoroさんと3人でテストのお話ができて非常に充実した時間を過ごすことができました。私のテストの方向性は間違ってなかった!これからは自分に自信を持ってテストしていきます。

(2日目)

「Heroku – 多言語化するアプリケーションの為のプラットフォームの紹介」(及川 喜之)

ハイ。私間違っていました。Herokuははーおーくーではなくヘロクと発音するそうです。
セールスフォース・ドットコムの人が言うんだから間違い無いですね。今後はヘロクと言います。
Herokuはページデザインを見れば分かる通り、日本をリスペクトしているのだからHerokuって書いていればローマ字でHerokuと読めばいいとのことです。
また、人は一つの言語に執着しすぎると、直面する問題に対してその言語で対応しようとしてしまうそうです。
"Use the right Tool for the Job"
「目的に沿ったツールを使え」との事です。HerokuはRuby意外にもJavaやNode.jsが動作することをアピールしていました。

「エンターテイメントシステムの開発を通じて実感したRubyの実力」(野崎 康行)

株式会社日立ソリューションズの中の人が「アクアス」や「奥出雲多根自然博物館」の展示説明用のシステムをRailsで作った話。
開発効率のよいRubyを使用することで、お客様に「動く仕様書」を見せながら要件定義をスムーズに行うことができたそうです。
発表後に「要件定義を行っているうちに、当初の見積もりをオーバーするのではないか?線引きはどうやったのか?」というSIerらしい質問も飛び交いました。(答えは曖昧でしたが)
日立ソリューションズさんのような大手が「動く仕様書」という言葉を使うのが印象的でした。アジャイル開発という言葉は出ませんでしたが、ウォータフォール開発に問題を感じて、それの解決方法にRubyを使用したという流れは素晴らしいと思いました。

ランチタイムセッション


IIJさんの新サービスMOGOKの説明を聞きながら無料ランチをモグモグしました。
MOGOKはherokuみたいなPaasサービスです。無料でどこまで行けるのかが気になりますね。サービスが開始されたらすぐに試してみようと思います。

Rubyエコシステムを活用したアジャイルな受託開発の成功事例」(諸橋恭介)

はじめる! Cucumberの著者であるid:moro さんの発表。Pivotal Trackerというサービスを使用して顧客とプロジェクトの進捗状態を共有して、顧客に優先順位を決めてもらったとのこと。
RSpecとCucumberの例を交えてアジャイル開発の紹介をされていました。テストのカバレッジは完璧にする必要はなく8-9割で十分な退行の検出が行えるそうです。

まとめ

ざっと書いてみましたが、非常に充実した2日間でした。
RubyKaigiでも話題に出ていた「Rubyが好きじゃない人もRubyに触る時代になってきている」という最近の状況を踏まえると、多くのビジネス事例を紹介するこのようなイベントも非常に重要な物だと思います。
また、参加したいな。